インサイドセールスの立ち上げ方:成功する組織構築のステップ
📅 2025.11.15
👤 RECHANCE編集部
はじめに
インサイドセールスは、非対面で効率的に営業活動を行う手法として、多くの企業で導入が進んでいます。しかし、立ち上げ方を間違えると、期待した成果が得られません。本記事では、インサイドセールス組織を成功させるための具体的なステップをご紹介します。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、電話・メール・Web会議などを活用して、オフィス内から営業活動を行う手法です。従来の訪問型営業(フィールドセールス)と比べて、以下のメリットがあります:
- 移動時間が不要で、1日に対応できる顧客数が増加
- 活動データの記録・分析が容易で、PDCAを回しやすい
- 地域に縛られず、全国の顧客にアプローチ可能
- 教育・管理がしやすく、組織的な営業力向上が可能
ステップ1:目的とゴールの設定
インサイドセールスを立ち上げる前に、明確な目的とゴールを設定しましょう:
目的の明確化
- 新規リードの創出を増やしたい
- フィールドセールスの商談数を増やしたい
- 既存顧客のフォローアップを強化したい
- 営業コストを削減したい
KPIの設定
以下のようなKPIを設定し、定量的に成果を測定します:
- 月間架電数・メール送信数
- アポイント獲得数・獲得率
- 商談化率
- 受注貢献額
- 顧客獲得単価(CAC)
ステップ2:役割分担の設計
インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を明確にします:
パターン1:分業型
- インサイドセールス:リード獲得、初回コンタクト、ニーズヒアリング、アポイント設定
- フィールドセールス:訪問商談、提案、クロージング
パターン2:完結型
- インサイドセールス:リード獲得から受注まで全てオンラインで完結
- 商材が低単価・シンプルな場合に適している
💡 成功事例:SaaS企業G社
従業員60名のSaaS企業G社では、インサイドセールスチーム3名を立ち上げ、以下の成果を実現:
- 月間商談数:5件 → 30件(6倍増)
- フィールドセールスの成約率:25% → 40%(質の高い商談に集中できた)
- 営業コスト:30%削減(移動費・時間の削減)
ステップ3:人材の確保と育成
求められるスキル
- コミュニケーション力:電話・メールで的確に情報を伝える
- ヒアリング力:顧客のニーズを引き出す質問力
- データ入力・管理:CRM/SFAへの正確な記録
- タイムマネジメント:多数の顧客を効率的に対応
育成プログラム
- 商品知識の習得(1〜2週間)
- トークスクリプトの練習とロールプレイ
- 先輩社員のモニタリング・フィードバック
- 定期的な勉強会と成功事例の共有
ステップ4:ツールとインフラの整備
必須ツール
- CRM/SFA:顧客情報・活動履歴の一元管理
- 電話システム:クラウドPBX、録音機能
- メール配信ツール:一斉配信、開封率測定
- Web会議ツール:Zoom、Google Meet等
- 名刺管理ツール:Sansan、Eight等
環境整備
- 静かな架電スペースの確保
- ヘッドセット、デュアルモニターの準備
- オンライン商談用の照明・背景
ステップ5:プロセスの標準化
誰がやっても同じ成果を出せるよう、営業プロセスを標準化します:
トークスクリプトの作成
- 導入部:自己紹介と電話の目的
- ヒアリング:課題を引き出す質問リスト
- 提案:ベネフィットの伝え方
- クロージング:次のアクション設定
- よくある質問への回答集
メールテンプレート
- 初回接触メール
- フォローアップメール
- 資料送付メール
- 商談設定メール
ステップ6:PDCAサイクルの実行
立ち上げ後は、継続的な改善が重要です:
日次レビュー
- 架電数・アポイント数の確認
- うまくいった商談、失敗した商談の振り返り
週次ミーティング
- KPIの進捗確認
- 成功事例の共有
- 課題と改善策の議論
- トークスクリプトの見直し
月次分析
- コンバージョン率の分析
- リードソース別の成果比較
- メンバー別のパフォーマンス評価
- ツール・プロセスの見直し
⚠️ よくある失敗パターン
- いきなり大人数で開始:まずは1〜2名の少人数で始め、プロセスを確立してから拡大
- フィールドセールスとの連携不足:情報共有の仕組みがなく、商談の質が低下
- KPI設定が不適切:架電数だけを追いすぎて、質の低い商談が増える
- 育成を怠る:OJTのみで放置し、早期離職が発生
まとめ
インサイドセールスの立ち上げ成功のポイントは:
- 目的とKPIを明確に設定する
- 役割分担を明確にし、フィールドセールスとの連携を構築
- 適切な人材を確保し、体系的な育成プログラムを実施
- 必要なツールとインフラを整備する
- プロセスを標準化し、再現性を高める
- PDCAサイクルを回し、継続的に改善する
RECHANCEでは、インサイドセールス組織の立ち上げから運用、内製化まで一貫してサポートしています。インサイドセールス導入をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。