RECHANCE

JOURNAL

調査データ2025.12.25インサイドセールスBDR

2期目ベンチャーのBDR結果:首都圏と地方で比べてわかったこと

自社サービスのBDR(アウトバウンドコール)を、事業とエリアで3つに分けて比べました。地方は担当者接触率とアポイント獲得率が高く、首都圏は接触が難しい一方で有効商談率が高いという差が見えました。

株式会社RECHANCEでは、自社サービスの新規開拓としてBDR(アウトバウンドコール)を行っています。事業とエリアで3つに分けて結果を比べたところ、地方は担当者に接触しやすく、アポイントも取りやすい一方、首都圏は担当者への接触が難しいものの、接触できれば有効な商談になりやすいという差が見えました。本記事では、その結果を共有します。

前提:事業とターゲット

BDRを行った期間に事業のピボットがあり、それに合わせてセグメントとターゲットも変えています。そのため、数値は次の3つに分けています。

  • ①DX・受託開発 → 地方SMB
  • ②AI×BPO → 地方・規模問わず
  • ③AI×BPO → 首都圏・規模問わず

いずれも、売上3億円以上または従業員30名以上の企業にアプローチしました。

前提:コールメンバーとトークの方向性

結果は、1名のコールメンバーによるものです。インサイドセールスのコールを継続して任せているメンバーです。

コールメンバーのプロフィール。30代女性、インサイドセールス歴1年でSDR・BDR・セミナーチャネルの運用を経験、レベルはミドル
図1 コールメンバーのプロフィール

フックやトークの方向性は、おおまかに次の要素で進めました。順不同です。

①DX・受託開発 → 地方SMB

  • DXやシステム活用の状況、業務課題を確認する
  • 業務の棚卸しから入る、既存ツールも活用する、現場目線でのDXと低コストの3点を押さえる
  • 「AI」という言葉は控える
  • 途中から、Budgetを中心にBANTを確認する

②AI×BPO → 地方・規模問わず

  • AIを活用したBPOであることを伝える
  • 県外への販路開拓や、営業スキルの属人化を防ぐことなど、ベネフィットに近い提示をする

③AI×BPO → 首都圏・規模問わず

  • AIを活用し、それによるナレッジを一般化・内製化に落とし込むBPOであることを伝える
  • 競合の事例や展示会の出展企業へのアプローチが多いため、取り組みと状況も軽くヒアリングする
  • AIの具体的な活用や、BPOで使っている自社開発のツールは、商談のときにお見せする旨を伝える

結果:首都圏と地方で、担当者接触と有効商談に差

①DX・受託開発 → 地方SMB②AI×BPO → 地方③AI×BPO → 首都圏
架電数120251208
担当者接触数・接触率29・24%70・28%30・14%
資料送付数・担当者接触からの率7・24%12・17%5・17%
アポイント数・担当者接触からの率6・21%7・10%3・10%
架電からのアポイント獲得率5.0%2.8%1.4%
有効商談数・有効商談率5・83%3・43%3・100%

②と③で割合が一致する項目が多いですが、いずれも実数値です。有効商談は、挨拶のアポイントや情報交換、逆営業ではなく、先方が利用を検討する商談として数えています。②と③には、このほかに年明けに日程を調整する予定のアポイントが2件ずつありました。

地方は担当者接触率が高く、そのうえでアポイント獲得率も高い結果でした。首都圏は担当者への接触が難しいものの、接触できれば商談化は遜色なく、有効商談が多くなりました。BPOという、インサイドセールスの場面では差別化が難しい事業の中でも、アポイントにつながっていると感じています。

セグメントごとに見えたこと

フィールドセールス以降の観点も含めた、定性面の所感です。

①DX・受託開発 → 地方SMB

  • 「DX」という言葉への関心は高い
  • 情報システムの担当者がおらず、総務や代表が兼任している企業がちらほらある
  • 「どこから取り組むべきか分からない」という悩みに対して、「業務の棚卸し」や「既存ツールを活用しながら」という点が返しやすい
  • 「ノーコード」は分からない方が多い
  • BANTでいうBudget、Timelineがないアポイントが多い。そもそも業務効率化に対して組んでいる予算がない
  • 技術検証や予算化を踏まえると、1商談のクロージングが半年以上と長期化する。営業のファネルで見ると、見積もりや技術検証で滞留する

まとめ:アポイントは取りやすく、関心もあり、ポジショニングも取りやすい。ただ、お金をかけてまでやるかと言われると、意思決定が難しい。

②AI×BPO → 地方・規模問わず

  • toBの事業者自体が少ない。北海道では飲食・観光・宿泊が盛んで、toCの事業者が多い
  • toBも一次産業や卸売の構造、建設・土木の公共向けの割合が多く、首都圏で一般的な営業体系ではない
  • THE MODELの体系を取っておらず、1人の営業のスコープが納品まで及ぶケースもある。「BPO」「インサイドセールス」「フィールドセールス」という言葉は伝わりにくい
  • かといって「営業代行」と伝えると、「成果報酬で、販売代理として営業してくれるのではないか」という認識につながりやすかった。営業担当者に接触できる反面、逆営業も多く、有効商談率が下がる
  • 有効商談として進んだのは、地方の上場企業や、大手企業の支社・支店。「AI」という言葉や、展示会後のオペレーションの課題をフックにアポイントを獲得した。本社や営業企画の施策を、現地の営業メンバーに落とし込むのが難しいという悩みが散見された

まとめ:興味関心や情報交換といったアポイントは取りやすい。ただ、有効商談になりうるターゲットに絞らなければ、提案には進まない。

③AI×BPO → 首都圏・規模問わず

  • とにかく担当者に接触しづらい。IVRや受付代行も多く、担当者までが遠い。部門はもちろん、担当者のバイネームがないと接触が難しい
  • 「AI」への関心はあるが、「実際にどう使うのか」「何を開発・構築しているのか」という問いが返ってくることが多い。活用内容を簡単にお伝えしつつ、実際の内容を「お見せする」という言い方でアポイントに至るケースが散見された
  • BDRとはいえ、検討する前提のスタンスを取っていただける。有効商談率は高く、意思決定までのリードタイムは短い

まとめ:担当者のバイネームがないと、接触は難しい。ただし、接触したときの切り返しを含めてしっかり準備しておけば、商談としての有効性も高いアポイントが獲得できる。

まとめ

成果の部分だけの切り取りですが、エリアによる体制やリテラシー、スタンスの差は、ターゲットの設計や仮説の検討に役立つと考えています。地方はアポイントにつながりやすい一方で、有効商談になるターゲットに絞ることが、首都圏は担当者のバイネームと、接触したときの準備が、成果を分けました。